第11章 I miss you〜SJ〜 5
「美味しいね、潤くん。ほら、明日は休みでしょ?呑んで呑んで!」
「いや、もぅ結構呑んだって。カズも呑んでよぉ」
「呑んでるって」
予約したのは、ニノが好きなハンバーグが美味しい洋食レストラン。
ニノはワインをボトルで頼んで、でも自分じゃなくてどんどん俺に注いできて…
翔君の事を話す前に酔っ払っちゃいそうで…てか…もう、酔っ払ってる…し。
「もぉ〜、今日は、カズとぉ、ちゃんと話そうって思ってたのに」
「はいはい、しょぉくん、との話でしょ?」
「そうそう、しょぉーくんの話だよ」
今日はニノに翔君との事を報告して…
報告して…どうするんだっけ?
「潤くん酔っ払って声大きくなってるから、隣いくよ?翔さんとのこと、スクープされたら、嫌でしょ」
「うん…スクープは、ヤダ」
「じゃあ、小声でね、聞いてあげるから」
ニノが距離を詰めてきたけど、このぐらいの距離じゃないと、周りに聞こえたら大変だし…
周りが囲われてるって言ったって、声は聞こえちゃうからね。
「ふふふ、カズやーさしー」
「えぇ、優しいですよ」
「カズ大好き」
「……でも潤くんは、翔さんを選ぶんでしょ?」
じゃあ、そんな優しさいらない
そう呟いたニノに、乱暴に唇を塞がれた。
「カズ?」
「抵抗しないの?」
「おれは、カズもすきだよ?」
唇を離したニノの目は、俺の心を探る様に…そして何かを諦めるかの様に、揺れている。
ニノからのキスを嫌だって思わないし…
じゃなかったら、エッチもしなかったし…
でも…じゃあ何でニノを選べないんだって言われたら…もうそれは
櫻井翔って人が存在しているから
としか言えないんだけど…