第12章 I miss you〜SJ〜 6
『しょーくんなんて、もういらない!』
そう叫んだあの日。
あれから何度も何度も、…あの日を、あの言葉を、後悔した。
あの時我慢していれば。
あの時あんな事を言わなければ。
でも…
きっと、あの時あんな風に別れなくても、あのままの俺でいたら…俺たちでいたら、遅かれ早かれ、同じ事になっていたって、今なら分かる。
あの別れがあるから、今があって…
今…こうして再び寄り添えるんだって、思うから。
「しょーくん…」
「ん?」
ベッドの上で、翔君の腕に抱き締められて…
目を瞑ってその胸に頭を寄せると、翔君が生きているっていう鼓動が聴こえて。
ただそれだけの事が幸せだなんて…そんな事も、今だから、思う事。
「だいすき」
「知ってる」
「ふふふ」
甘くない返しでも、その声の響きは十分甘くて。
だから、同じ様に返してくれなくても、十分幸せで。
悩んで…苦しんで…不安がってたあの頃の自分に、教えてあげたい。
『本当に、俺のことが好き?』
きっと君が想像しているよりずっとずっと、君の事が好きだよ。
『本当に、俺が必要?』
きっと君が想像しているよりずっとずっと、君の事が必要だよ。
でも…ね…
あの頃の君は、たとえそう言われたって、結局信じられなかっただろうね。
だからこそ、必要だった時間。
そう思えば、離れていた時間だって、苦しかった時間だって、愛しく思える。
今、こうして、あなたが側にいてくれるから。
しょーくん…大好き…
おれもあいしているよ…
夢現の呟きに聞こえた、夢か現実か分からない甘い返事に微笑みながら、俺は夢へと落ちた。
【I miss you 】end