第11章 I miss you〜SJ〜 5
「ねぇ、しょーくん…」
「ん?」
「もう一度始めるためにも、ニノにね…話していい?」
「…二人で?」
俺の言葉に、翔君の顔が曇った。
そりゃ…そうだよね。
一度体を合わせた事がある二人が二人っきりで会うなんて事…
逆の立場で考えたら、俺だって嫌だもん。
でも…
ニノは今でも俺にとって大切な人であって…
大切なメンバーだから。
だから、このまま無かった事には、したくない。
ちゃんとこの口で報告して…
「ニノが許してくれるなら、二人で話したい」
「ニノが…か…。俺が許したら、じゃないんだな」
「うん…これは、俺とニノとの問題、だから」
ただ、翔君との関係を話すわけだから、その部分は翔君に許しを貰う必要があると思うから…
「それってお前の自己満足じゃねーの?」
「それは…」
俺を真っ直ぐに射る翔君の強い目。
「好きな人と上手くいきました、今までありかとう、とか言われても…おめでとうなんて俺なら言えねーけどな」
「…うん…」
確かに翔君が言う通り、これは俺の自己満足かもしれない。
でも…
「まぁ、ニノは俺じゃないから、な。でもそのかわり……それでお前の気持ちがニノに傾いた時は、俺にも同じ様に話す時間をくれよ?」
冗談めかして言いつつも、翔君の目は若干の不安を含んでいて…
「こんな風にフラフラしてる俺が言っても、信用ないかもしれないけど…ちゃんと、話すから。じゃないと…俺は真っ直ぐしょーくんと向き合いない気がするから…」
「分かった」
閉じられた翔君の瞼に、誓う様に唇を落とした。
***