第10章 back again〜SNJ〜2
「どちらかを選べないっていうのは、受け入れる。でもだからって、俺がいないとこで二人が抱き合うのは嫌。翔さんは?」
「まぁ…確かに俺の知らねーとこでニノに抱かれてどんな風に啼いてんのかとか……そんな無駄な妄想は、もうしたくねーな」
「だから、二人を選ぶって事は、二人に抱かれる事だって覚悟をしてね、潤くん」
二人に抱かれるって…それは、三人でする、って事で…
「俺も、翔さんも……潤くんが相手に抱かれてる事を想像して、苦しんだから…ね…」
切なそうに笑うニノを見たら、そんな事は無理だなんて言えなくて…
二人とも欲しいって言っているのは、俺なんだし。
「ごめんなさい…」
そんな風に自分の弱さで二人を傷付けてきた俺が、選ぶなんて事…
絶対に、俺より二人を幸せにできる人は、他にいるんだ。
「でも」
続けようとした言葉は、ニノから奪うように俺の体を回転させた翔君の唇で遮られた。
「んな顔して謝るなら、モラルも余計な不安も全部捨てて、大人しく抱かせろ」
「狡いな、翔さん。俺がやろうって思ったのに」
「うるせぇ。俺が来る前に潤を抱いてただろ。その分、俺に返せ」
「翔さんのエッチは、自分の快楽を追うためのもんだから、潤くんそんなんで感じられるかなぁ」
「はぁ?お前何言ってんだよ。おい、潤!俺とニノのを比べて、こいつに喋ってたのかよ」
「そ、んな事は…」
顔を赤くして目を吊り上げた翔君にアワアワしていると、ニノが楽しそうに笑った。
「潤くんは覚えてないんじゃなーい。酔っ払った時に言ってたもん。しょぉくんはぁ、男の俺なんかだくの、ほんとうはイヤなんだぁ。だから、おれのモノなんて、触ってくれないんだヨォ〜、ってね」
「ちょっ、ニノ、ウソ言わないでよ!」
「え?じゃあ、間違ってる?」
間違っては…いない。
俺の声を嫌がるのも、女の子みたいな可愛い声じゃないから。
俺のモノに触れないのも、俺が男だって改めて実感したくないから。
そう、思っていたのは、確かだから。