第10章 back again〜SNJ〜2
「潤、お前の素直な気持ちを言えよ」
「俺の事も、翔さんの事も考えなくていいから…潤くんは、どうしたい?」
「俺は………選べなくて…二人とも好きで…」
でも…
「二人とも欲しいなんて…そんな事言っても…二人とも不幸にするだけで、俺は…大好きな人を、不幸にするだけで…」
二人は俺をこれだけ幸せにしてくれるのに、俺は二人を幸せに出来ないんだ。
そんな俺が、二人とも欲しいなんて、そんな事…
「馬鹿だな、潤くん。こうやって潤くんが側にいてくれるのに、幸せじゃないわけ、ないじゃん」
「お前を失う方が不幸だって言ってんだろ。俺だって腹括ったんだから、お前もそろそろ諦めろ」
「でも…」
「分かったよ、潤くん」
迷う俺に、ニノが優しく笑って俺の頬に手を添えた。
「潤くんは、真面目だもん。いきなりどっちも選べなんて、そんな事、ね、難しいと思うから」
「なんだよ、別に俺らがいいって言ってんだから、受け入れりゃいいだろ」
「翔さん……そんなだから、潤くんに捨てられるんですよ」
「はっ?別に捨てられてねーし」
ニノの手が頬から髪へと移り、優しく撫であげてくれる。
「潤くん…絶対俺を選んだ方が楽なのに…ね…」
「うるせーよ」
「それでも、俺を選びきれない、翔さんをどうしようもなく愛しちゃう潤くんのそういうとこもね、好きだから。翔さんを好きな潤くんもね、好きなんだから、俺も大概だよね」
そう言って笑うニノの目は本当に優しくて…
「俺は共有なんて嫌だけどな。まぁそれでもお前が選べないって言うなら、受け入れてやるから」
ニノから取り返すように後ろから俺の髪をグシャグシャっと撫でた翔君の声も、ニノに負けないぐらい優しくて…
「二人とも…大好き、だよ…」
「じゃあ…覚悟を決めて?」
「覚悟?」
「俺たち二人を受け入れる、覚悟」
二人を、受け入れる…覚悟って…