第10章 back again〜SNJ〜2
「しょぉ…くん…」
「……んだよ…そんな顔、すんなよ。お前はニノを選んだんだろ。じゃあ、それでいいじゃねーか」
「翔さんは、それでいいんですか?格好つけて、俺はいいんだって身を引いて、諦められる存在なんですか?もし翔さんの想いがその程度なら、今すぐ出てってください。潤くんは、本当に俺が貰いますから」
「へぇ、じゃあさ、俺が愛を語ったら、お前は諦めんの?譲ってくれんの?」
ニノの言葉に、翔さんが笑いながらそう返した。
「まさか。だって、潤くんは俺の事も、愛してるからね」
そう言ってニノは俺の髪を梳いて
愛しい
が溢れている眼差しと共に、俺にキスを落とした。
「潤くん…愛してるよ」
そんなニノの行動に、握り締められた翔君の掌に更に力がこもったのが分かった。
「ねぇ…もう、認めたら?」
久しぶりにちゃんと見た翔君の顔は、ニノが言うように確かに窶れていて…
その顔が苦しそうで…
そんな顔見ていたくなくて…
だって…
しょーくんは、いつも自信満々で…キラキラしていて…俺の憧れで、目標で…
「もうやめて、ニノ…。お願い…だから…」
「ね、潤くん…でも、潤くんはこんな翔さん、放って置けないでしょ?だって、俺は知ってるもん。潤くんがどれだけ翔さんを好きだったか。潤くんが俺を選んでくれたから、俺が幸せにしようって思ってたけど、ね…」
俺に向かって優しく微笑んでいたニノが、翔さんへ向かって鋭い視線を向けた。
「好き勝手潤くんを振り回していた翔さんを認める気はない。だから翔さん…これがラストチャンスだよ。くだらないプライドは捨てたら?もしそれを捨てられないなら、俺はもう二度とこんなチャンス、あんたにはやらない。潤くんの全部俺のもんにして、あんたのカケラも全部追い出すから」
「……もう潤の中には、俺の欠片なんてねーよ」
「だから?自分を好きじゃない潤くんには、興味ないんだ。自分を好きな潤くんじゃないと意味ないんだ。やっぱ勝手な人だねぇ」
眉を寄せてグッと唇を噛んだ翔君の顔には色んな葛藤が浮かんでいて…
でも、次の瞬間、その目が強く煌き、俺の目を真っ直ぐ捉えた