第2章 声を聴かせて〜NJ〜
「お前、やっぱりニノと、仲良いだけ、じゃないじゃねーか」
「ふっ…んっ…」
「こんなに中、緩々にして…どんだけニノ咥え込んでたんだよ」
「んっっ」
先ほどの楽屋で受信したメッセージに書いてあったのは
『今日うちに来い』
という絵文字も何も無い一文のみ。
でも…
俺を誘っているニノの後ろで新聞を読みながら唇の端を持ち上げていた翔君は、そんな一方的な文面でも、それを俺が断らないと分かっていて。
そんな都合のいい女みたいな自分をやめたかった癖に、結局はニノに嘘を吐いてまで誘いを断って、翔君の家に来ている訳だから…ニノが言う通りだ。
やめる必要はない
じゃなくて…
やめられるわけがない
って…ニノは言いたかったのかな。
「三本でも足りないって風に簡単に咥え込んで…お前こんなになるまでニノにガッつくほど、飢えてたのかよ。俺を待てなかったか?」
「そ、んな…」
そう言う翔君は、きっとまた女と別れたんだろう。
男と付き合うなんていうリスクの高い関係を若気の至りと切り捨てたのは翔君なのに、女と切れるとその欲求を満たすためにか、俺を抱きに来た。
付き合ってるわけじゃないなら、男同士の方がバレるリスクは低いよな
って笑って…俺を抱いて…
でも、暫くして自分の欲求が満たされたらふつっとプライベートでの付き合いは切れ、そこからは仕事モードになるか、もしくは新しい女の存在が現れるか。
「ったく…俺以外の色が入ってるもんは抱く気になんねーんだけど…まぁ、今日は許しておいてやるよ」
そう言って翔君は俺の中から指を引き抜くと、そこに自身のモノを当てがい一気に奥まで貫いた。
「んぁぁっ」
「一気にいくと…さすがに締まる、な」
「あっ、んんんっ…っぁ…」
そこから激しく挿入を開始され、その動きについていけずに無意識に体をずり上げて逃げようとして、腰を引かれて更に深くを抉られる。
抱かれた回数は確実に翔君の方が多いし、こんな風に激しく抱かれる事に慣れていたはずなのに…
ここ最近ずっとニノに優しく抱かれていたためか、今までなら、どんな激しい動きだろうと、翔君に抱かれるという行為に感じていた快感がなかなか訪れてくれず…
久しぶりに抱かれているのに…なんで…