• テキストサイズ

愛のカケラたち【気象系BL】

第8章 声を聴かせて〜NJ〜 3




「あんた、やっぱりニノを狙ってんの?」

「まつじゅんだって、振り向いてくれない翔くんからニノに流されたじゃん。だから、それと同じ事がニノにも言えるんじゃね?弱った心にはつけ込みやすいのよ」

「智くんも悪いよね〜俺を潤にけしかけるのは、自分がニノを手に入れるためかよ」

「欲しいものを手に入れるには、手段は選んでらんないよね」



まるで、それら全てがゲームの様に語る大野さんと翔君の会話に、自分の中で何かがキレる音が聞こえた。



「大野さんが何をしても、しょーくんが何をしても、関係ない。俺の気持ちは…もう決まってるから」

「じゃあ…早くそれがニノちゃんに届くといいね…」



今まで黙っていた相葉さんの声が突然聞こえて…
その声色に、熱くなっていた俺の心が一気に冷静になる。



「あんな辛そうなニノちゃん…見てたくないから。きっと…あの子、食べてないし、寝てないよ。ゲームに夢中だから、って言ってるけど…ゲームに夢中だからじゃなくて、眠れないから、ゲームに夢中になっているフリをしてるんだって、思う」

「相葉さん…」

「ねぇ、松潤。ニノちゃんが、本当はとてもさみしがり屋で臆病なの、知ってるでしょ?だから…一度折れてしまった心は、なかなか素直に戻れない。強引でもいいから、無理やりでもいいから、早くあの心に飛び込んで来てよ。もうこれ以上…あんなニノちゃん見たくない」



泣きそうな顔でそう言う相葉さんは、本当にニノの事を心配していて…

でも俺は、この期に及んで、ニノに本気でぶつかって傷付くのを恐れて…ニノの背中を追う事が出来なかった。



「ごめん、相葉くん。ちゃんと…行ってくるから」


そう言った俺に、それぞれからそれぞれの返事が返ってくる。



「うん…ニノちゃんのあのアイドルスマイル、ぶっ壊して、本当の笑顔を取り戻してきて」

「玉砕したら、俺んとこ戻ってこい」

「玉砕したら、カズの事は俺に任せろ」



後の二人の言葉は無視して、相葉君に頷いて、俺は楽屋を飛び出した。



ニノ…

お前のための何ができるか分からないから、とか…色々理由つけて、ビビって、逃げて…ごめん。
ニノがどんな答えを出していようと…
もう逃げないから。

だからお願い。
一度だけ…俺に、チャンスを頂戴?


/ 98ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp