第6章 I miss you〜SJ〜 3
「ねぇ、しょーくん。昨日は遅かったの?」
「だから、言っただろ。昨日は仕事が押して、帰ってきたらそのまま寝てた、って」
「でも…昨日は電話できるって言ってたから…俺、待ってたのに…」
「お前だって、分かるだろ。約束しても果たせるか分からないのが俺らの仕事なんだから。しかも、お前は同業で、メンバーなんだから、仕事で会えるんだし」
翔君が言いたい事も分かる。
お互いにどんどん忙しくなってきて…
仕事がなくて、皆で何度も朝まで話し合った時と比べれば、今は本当にありがたい状況だって事も。
でも…
どれだけメンバーとして会えたって、恋人として過ごせる時間なんてほとんど無くて。
それでも翔君は余裕で…
別に俺に会えなくても、それを苦に思う感じも無くて。
そうだよね。
この関係は、そもそも、俺が強引に翔君に迫って始まったんだから。
思春期真っ只中の
そういうコト
に興味アリアリ時期。
そこにつけ込んで、抱かせて…
ヤレればもう女でも男でも、一緒。
そう思わせたのは、俺。
周りにバレる事を恐れて、いつも翔君は慎重になってた。
当然だよね。
こんな関係、快楽を除けば、リスクしかない。
体さえ抱ければ…
俺のこんな束縛…鬱陶しいだけ。
だから…
今まで、ずっと、何も言わなかった。
翔君が俺を二の次にしようと…
愛してるなんて言ってくれなくても…
俺と会えなくても平気そうでも…
この関係に…体の繋がりしか、なくても。
でも…
「そうだよね、忙しいもんね。俺なんかより、ニュースもしてて、他も色々しなきゃならないしょーくんは、俺なんか構ってられないし、てか、俺とのこんな関係も、本当はさっさと清算したいよね」
「なぁ、潤。お前が疲れてんのも分かるけど、俺も疲れてんの。喧嘩売るのはやめろって」
「俺、知ってるんだよ。昨日しょーくんが誰といたか」
俺の言葉に、翔君の眉がピクリと上がった。
「残念ながら、しょーくん、目立つんだよ?旬がね、昨日見たって、岡田くんと一緒に飲んでるしょーくんを」
「それは…」
途端に泳ぎだす翔君の目。
でも直ぐにその目は強さを持ち直して、俺を真っ直ぐ見返す。