第5章 I miss you〜SJ〜 2
「じゃあ、この曲はこんな感じで…」
ゴホゴホ
ホワイトボードに皆の意見をまとめ始めた頃から翔君は咳をし始めて…
しかもそれはどんどん酷くなっていく。
「って事で、今日はここまでにしよっか」
「そうだな〜俺ももう眠いし〜」
「いや、あなたは釣りに行きたいだけでしょ」
本当はもう少し進める予定だったけど、明らかに酷くなっている翔君の状況を考えたら、これ以上続けるのは得策じゃない。
俺とスタッフで詰める部分もかなり見つかったから、ここで終わって、今日はそっちを詰めればいいし…
「悪い、みんな」
「ここまで決められたら十分だし、別にしょーさんのせいじゃないから」
「そうそう、これ以上ミーティングが続いたら、俺も訳わかんなくなってたし、翔ちゃんの体調が悪くて助かった〜」
「相葉くん…」
それは暗に
翔君が体調が悪いから早く終わった
って言っているようなもんだし。
「まっ、我々だってマシーンじゃないんだし、人間だから風邪もひくし、寝不足にもなる。体調よくないといい案も出ないから、こんぐらいがいい時間でしょ。潤くんだって、あんま顔色良く無いしね」
「俺は…別に」
「ねぇ、今日中に潤くんに聞いとかなきゃならない内容ってある〜?」
「いえ…まだ余裕あるので、大丈夫です」
「オッケー、じゃあ潤くんも今日はここで終了ね。はいはい、皆解散〜」
「ちょっ、おい、ニノ!」
勝手に解散を決めて号令をかけたニノを止めようとしたけど…
「解散、解散!ニノだって、あんま寝てねーだろ?お前ら揃いも揃って風邪やら寝不足やら抱えてねーで、まず体調を整えて来い!」
「おーちゃんは…格好はいいけど、釣りで日焼けしすぎてるし、色を変えて出直して来いって言われるよ?」
「俺はいーんだよ、健康的で。相葉ちゃんも…とりあえず出直してこい!」
「なんでよ!」
軽口を叩きながらも帰る気満々で資料を片付ける二人。
それをボーッと見ている翔君は、やっぱりかなりキツそうで…
声をかけようとした瞬間
「あの…松本さん」
「……ん、何?」
「一点だけ確認したい事が…すみません、すぐすみますんで」
スタッフに声をかけられて…そちらへと意識を切り替えた。