第3章 秘密の花園【東堂尽八】✳︎リクエスト作品✳︎
“インターハイには来てもらえるのだろうか?“
そう絞り出そうとした口からは声は出なくて。
「そうか、あと、もう少しだな、、、」
どうして?
こんな時に限って。
「、、、ごめんなさい。約束、していたのに。ずっと言えなくて、、、」
こんな時こそ、気の利いた言葉を尽くして
彼女の気持ちを楽にできればと思うのに。
「、、、あと、もう少しだけど、最後までその、、、友達でいてくれる?」
「、、、もちろん」
“友達?それは一体どういう意味で言っているのだろう?“
“君に気持ちがあったのは、俺の方だけだったのか?“
俺にできるのはせめて、1番知りたいそれを口に出さないことだけで。
「、、、」
声を殺して泣く彼女をただただそっと、この関係が壊れてしまわないように、静かに抱きしめることだった。