第3章 秘密の花園【東堂尽八】✳︎リクエスト作品✳︎
「んじゃ、俺は戻っから。あとあと何か面倒なことになってもめんどくせぇし、福チャンには一応言っとくケド、後でテメェも自分で報告しとけよ」
彼女達から離れて少し経った頃、荒北がめんどくさそうに言った。
「あ、あぁ、スマン、荒北。福には明日朝一番に言いに行くと伝えておいてくれ」
その声に我に返って初めて、自分がボンヤリとしていたことに気がつく。
「OK。今日はもう戻らねぇんだナ?」
「あぁ、彼女が戻ってきたら家まで送ろうと思う」
「ま、そーだよな」
「、、、」
黙ったままの荒北が鋭い瞳で俺を見下ろす。
「何だ?気持ち悪い」
たじろぎそうになる足元を必死で抑えて毒を吐いた。
そんな俺の背中を
バシッ!!!
盛大な音を立てて突然荒北が叩いた。
「ッ!!」
その力は一瞬息が止まるほど強く。
「んなっ!!」
「何をするんですか!?」
「ただでさえ弱っている東堂様に、、、悪魔です!!」
「ハッ!聞いたか?東堂。お前、ただでさえ弱ってるように見えるんだってよ!」
「む!」
そんなに不安そうな顔をしてしまっていたのか。
思わず自分の顔に手を当てて確認する。
「そ、そんなこと言ってないじゃないですか!?」
「言ったヨ!!今さっき一言一句おんなじ事言ってたじゃナァイ!」
後輩達の反応に嬉しそうに答える荒北。
「全く貴様という奴は、、、フッ、ハハハ」
全然そんな気分ではなかったのに、思わず笑ってしまうではないか。
「ハッ!何だ、大丈夫そうじゃねェか。何があってもテメェはそうやってお綺麗な顔してる方が似合ってんぜ。かわい子チャン」
「うるさい!」
美しいと言われるのは結構だが、ニヤリとした顔に悪意を感じる。