第3章 秘密の花園【東堂尽八】✳︎リクエスト作品✳︎
「はぁ?何?聞こえないんだけど?」
耳に入ってきた不機嫌な声にハッとする。
今、私、、、何て?
自分の言葉に驚いた。
そして実感した。
あぁ、、、私まだ、、、
自分の想いに一瞬泣きそうになりそうになったけれど、今はもう大丈夫。
ちゃんと平静を保てている。
「さっさと言えよ!もうこっちは何の用も無いんだよ!」
「っていうかホント好きにしたら?皆に言えばいいじゃん!」
「そうよ!もう東堂様にも、、、」
「バレてしまったし、、、ですか?」
「!?」
私はまっすぐ彼女達を見た。
私の言葉に驚いた表情をしていた。
ドキドキと胸は痛いほどに鳴っている。それなのに目の前の出来事を落ち着いて見ている自分がいた。
「私は誰にも言うつもりはないです。本当は東堂くんにも言うつもりはなかったんです。だって、、、」
この人達は私と同じ。
「東堂くんのこと今でも好きなんですよね?」
「、、、ッ!」
彼女達の顔が赤くなる。
怒っているのかもしれない。私の手は震えていた。
だけど私は決めている。
ちゃんと言う。
私はできる限り大きく深呼吸をして口を開いた。
「私知ってますよ。毎日に門の前で東堂くんのことを待っていたこと、毎日東堂くんの姿が見えなくなってもそれでも声援を送っていたこと」
私は離れた所からそれを見ているだけだったけれど。
「ぜんぶ誤解なんです。東堂くんがあの庭に来たのは本当に偶然で。それから来てくれるようになったのも、私に同情をしてくれたからで、本当に何も、、、何も無いんです」
私が勝手に東堂くんを想っていただけだったけれど。
勝手に期待をしていただけだったけれど。
だけどそれでも。
好きだった。
「それでもまだ、、、まだ私が邪魔ならもうその心配はいりません。だって私は、、、もう居なくなります」
「は?」
もう私は東堂くんと一緒にはいられない。けれど。
「私、転校するんです。だからお願いします。もう私は居なくなるので、東堂くんのことは応援して下さい!東堂くん、言ってました。あなた達がいるから頑張れるって。辛くても頑張って、笑えるんだって、、、だから。お願いします!!」
せめて、どうか東堂くんが夢を叶えられるように。
好きだから。
「どうか、、、お願いします!!」