第3章 秘密の花園【東堂尽八】✳︎リクエスト作品✳︎
「、、。分かった。少し離れたところにいる。何かあればすぐに呼ぶのだ」
東堂くんは心配そうにそう言った。
けど、、、大丈夫。
不思議だった。
さっきまでとは違って、胸の中のザワザワはもう無くて。
大丈夫。そんな自信が湧いてきて。
そして
ここからの話は私達だけでしなくちゃ。
うまくいっても、いかなくても。
それはきっと東堂くんがいてくれるから。
「うん、、、!ありがとう!」
分かってくれたのだろう。
そう言うと一瞬キョトンとした東堂くんだったが、すぐに優しく目を細めてくれた。
胸の奥の方がポカポカと温かくなる。
「、、、やっぱり東堂くんはすごいなぁ、、、。」
東堂くん。
私は、、、
いつも色んな人に囲まれて、
いつだって周りの人を元気にして、
明るく振る舞うあなたのようになりたかった。
だけど実際の私はそんな人間では全然なくて。
あなたのことをこっそりと見ることだけで精一杯で。
あの時も
あなたの役に立てればと。
あなたに一歩でも近付ければと。
あなたのように努力すればいつかきっとそんな自分になれるのかもと。
あの日、まだ慣れない教室で
震える手を必死で押さえて、腕を伸ばした。
あの時の怖いような、だけどどこか清々しいこの胸の高鳴りを覚えいる。
結局その後も1人でお花の世話をしていただけだったけど。
一歩だけ踏み出せたような気がしたの。
そしてそれからはまるで
夢のような日々だった。
あの庭に。
突然あなたが現れて。
毎日楽しくて。
楽しくて。
やっぱり東堂くんはすごいなと自分との違いを実感する日々で。
今だって、人の温かさに触れられたのも全部あなたのおかげだった。
「、、、何?あんた1人でどうするつもり?」
「好きなだけ文句でも言おうっての?」
今だって。
東堂くんがいる。
それだけでこんなに力が湧いてくる。
東堂くんと出会ってから色んな事が変わっていく。
私、やっぱり、、、
「、、、東堂くんともっと居たいなぁ、、、」