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恋の話をしよう【弱虫ペダル】短編集

第3章 秘密の花園【東堂尽八】✳︎リクエスト作品✳︎


「、、、東堂くん、、、」


そんな東堂くんの様子に、再び嫌な音を立てる心臓。


どうしたらいいの、、、?
どうすれば東堂くんを助けられる?


そう思った時。



「アー!!コラ!東堂!!テメッ!こんなとこにいやがったのかヨ!!」



一際大きなしゃがれた声が聞こえた。


「おー!荒北!!」

「荒北くん?」

「は、、、?」


荒北くんは走ってきたのかゼェ、ゼェと肩で息をしていた。


「おー!じゃねェっつーの、ったく勝手に飛び出しやがって」


荒北くんはこちらまでやって来ると、東堂くんの頭をこづいた。


「あっ!ダメです!!」


東堂くんは頭に怪我をしてるのに、、、!


「ア?」


思わず2人の間に入った私を見下ろす荒北くん。
ジロリと動いた細い瞳に体が固まる。
だけど荒北くんは


「フーン、、、そゆこと?良かったじゃナァイ」


そう言ってニヤリと笑った。
そして、


「オーイ、早く来いヨ!このノロマ!!」

「はっ、はいっ!!」


壁際に声をかけたかと思うと、悲鳴に近い返事とともに現れたのは、いつも東堂くんを後ろの方で応援していた女の子達、、、?


「オイ!テメェら!!ここ最近のコイツらが何をしてるか教えてヨ」

「ひっ!は、はい」

「え、、、?」


驚いたように目を見開く東堂くん。
これは予想外だったようだ。


「この人達、最近来ないなって思ってたんです。それでどうしたのか気になって探してたら、その人の鞄とか靴をその、、、ゴミ箱に入れたり、落書きをしてて、、、」

「私も突き飛ばしてるとこ見ました、、、」


突然のことに頭が追いついていかない。


「ごめんなさい。東堂様。私達、、、言わなきゃって思ってたんですけど」

「次は私達なんじゃないかって、その、怖くて、、、私達まだ一年だから」

「ごめんなさい!知ってたのに、こんな風になるまで何もできませんでした、、、」

私達に向かって頭を下げる女の子達。
目の前の景色が霞む。


「テメェを追いかけて早めに練習切り上げたんだヨ。そしたらなんか部室の前でコソコソしてやがってよ。捕まえて聞いてみれば、こーゆー事だったっつーワケ。ハァー、ったくテメェらが早く出てくればこんな大騒ぎになってなかったっての!」


荒北くんが溜息混じりに言うと、女の子達は泣き出してしまった。
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