第3章 秘密の花園【東堂尽八】✳︎リクエスト作品✳︎
「あっ、あんた!さっきから勝手なことばっかり!!」
「そうよ!一体どういうつもりで!」
背後から聞こえた不機嫌な声にハッとする。
そうだ。この人達、、、。
「あ、あんた達のこと全部言ってやるんだから!!」
「誤魔化したって無駄なんだから!」
熱くなった頭が一気に冷める。
一体何を、、、?
「フン、、、」
だけどそんな不安に駆られる私と違い、東堂くんは不敵な笑みをたたえたままだ。
そしてバッと手を広げて明るく言った。
「しかし諸君!俺の迫真の演技が映えるのも彼女達、悪役の演技があってこそ!!彼女達にこそ、盛大な拍手を!!」
「ワー!!」
「そうだ!アイツらがあんな演技ができたなんて!」
「すっごく良かったよー!!」
「もう、ホントの喧嘩かと思っちゃったー!」
大きく手を叩く生徒達。
「おいおい、呼ばれて来てみたら一体何の騒ぎだ?」
「あっ、先生!東堂様達の劇の練習だったみたい!」
「俺らも上手すぎて騙されちゃって、、、すみませーん」
「そ、そうなのか?コラ、東堂!あんまり騒ぎ過ぎるなよ!」
「承知した!!申し訳ない!」
そして急いでやって来た先生も、皆と東堂くんの様子に、笑顔で帰っていった。
「、、、これでも、まだ続けるか?」
こっそりと気まずそうにしている彼女達に語りかける東堂くん。
「色々とバレて大変なことになるのは、そちらも同じではないのか?さっきも言ったが、俺の全てを投げ打つ覚悟は消えてはいない」
表情はよく見えなかったけれど、その声は静かで、けれど突き刺すように冷たく低い声だった。