第2章 幸せ者【御堂筋翔】
もしかしたら、今日からはそいつと帰んのかもしれへんなぁ、、、。
良かったなぁ、ユキちゃん。
なぁ、もしも僕があの時「ユキちゃんやったら似合うよ」とか「可愛いやん」とか言えてたら。
ただの優しい兄貴になれてたら
もう少しの間だけでも君と一緒に帰れたんやろか。
あの幸せな時間をもう少しだけでも味わえてたんやろか。
なぁ、苦しいわ。
こんな風になんのやったら同じ屋根の下でなんかで、おられへんでもいいから。
君が好きなテレビ見て笑う声なんか聞こえんでいいから。
毎朝、君の寝ぼけた「翔兄ちゃん、いってらっしゃい」なんか聞かれへんでもいいから。
キキッ!
「ハァ、ハァ、、、やっぱり、、、ハァ、おらんか、、、」
君に好きって言いたいわ、、、。