第1章 冷たい手【巻島裕介】
見たかった。
ねぇ、小野田くんてどんな子?
知りたかった。
どんな気持ちで小野田くんに託したの?
これまでは私が1番近くで見ていたはずなのに。
「す、、、すみません!」
見たい。
もっと近くで。
聞きたい。
もっと、もっと、、、!
気づいたら私はゴールラインギリギリのフェンスから身を乗り出していた。
この先に裕介がいる。
裕介が迷惑そう?
イギリスに行っちゃう?
そんなこと関係ないじゃん。
そんなことよりも私は、、、。
「頑張れ!!総北ーーーッ!!!」
これからも裕介の1番近くで、彼の隣を歩いていたいんだ。