【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第1章 4月に芽吹くヒーロー
「うそ・・・あの子・・・どうしよう・・・!」
まさか見ている人が居るとは思わなかった。
自分と同じ制服に身を包んだ女生徒が、クラスメイトの後を追い、テレビの中に入り込んでしまった。
彼女は私の事を先輩と言った気がした。つまりは一年生、なのだろうか。
普段勝気な千枝。
しかし混乱とショックでその場を動くことが出来なかった。
今すぐにでも自分もテレビに入り、制止しきれなかった後輩と思わしき女の子を助けたかった。
しかし、自分がここから動いてしまったら、何かあった時にどうしようも出来ない。
千枝は己の無力を悲痛に変え、ロープの束を胸の前で抱え込み、屈みこんだまま、全員の無事の帰還を祈るばかりだった。