【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第5章 星空だけが、きっと知ってる
そのうち、モロキンの声が遠ざかり、聞こえなくなって行く。
腕の中の睦月をそっと開放すると、恐怖と興奮の為か小さく声を出して笑いだす。
それにつられて俺も笑いだす。
この声を聞きつけてまたモロキンが来るかもしれないと気付き、笑いを止めるも、
俺達にの間にはまだ秘密の共用をした時特有の楽しさが込みあがる。
そろそろお開きにするかという所で睦月が例の指輪を手渡そうとしてくるが、急にさっきの感触が思い起こされて、妙に気恥ずかしくなる。
それに、もしも出来たらそれは睦月に持っていて欲しい。
そう思い、適当な理由を口にして半ば押し付けて睦月に背を向けた。
これ以上一緒にいたら、俺、何しちまうかわかんねぇ。
関係が壊れるのが恐い。
「一緒に居て楽しい先輩」という立場を失いたくない俺はそのまま歩き出す。
テントに戻ったら、鳴上はもう寝ているだろうか。
起きていたとしても、この事は誰にも言わないでおこう。