【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第5章 星空だけが、きっと知ってる
「おやすみなさいっ!」
俺の背にかけられた言葉に、振り返らずに手を振るのが精一杯だった。
明らかに熱を帯びた自分の両頬を軽く叩く。
モロキンから隠れる為とはいえ、俺、睦月の事・・・
見つからないように咄嗟に木の陰に睦月を庇ったのはともかく、それが殆ど抱きしめている形であるという事に気が付いた時にはもう身動きが取れない状況だった。
小さくて、柔らかくて、温かくて。
テレビの中では一緒になって戦っている少女が、本当に普通の女のコだっていう事を改めて認識した。
この細い体の中のどこに、そんな力と勇気を秘めているんだろう。
その瞬間から、心臓が一生分かと思うぐらいに音を立てていた。
モロキンには見つかりたくない。
だけど、だけど出来ればもう少しだけこのまま・・・。
ふと気づくと、睦月が俺のジャージの腰辺りをぎゅっと握っている事に気が付いた。
あ、ダメだ。
俺、やっぱこの子の事・・・
好きになった・・・かも。