• テキストサイズ

【ペルソナ4】 Shining one Day by day

第5章 星空だけが、きっと知ってる



不意に会話が途切れる。

気まずさというよりは、その空気を分かち合う様な優しい沈黙。


私はポケットの中の指輪を握りしめながら、それを取り出した。


「先輩、あの・・・これ・・・」

「ん?コレって、俺のか」

「実は、四月にテレビの中で拾ったんですけど、渡しそびれちゃってて・・・」

「あぁ、そうだったんだ。どっかで失くしちまったとは思ってたんだけど、睦月が持ってたのか」

「すみません、ずっと返せなくて。・・・あの、大事な物、なんですよね?」

「え、いや、それほど大事な物じゃねぇんだ。転校してくる前にあっちで買った物でさ、何となくずっと身に着けてただけだから」

そうはいっても、つまりは先輩と転校前の都会を結ぶ大切な物であるのは事実だ。
皆の前だろうが何だろうが、すぐに返すべき物だったんだ・・・

返す言葉が見つからない私に先輩は続ける。

「それにしてもお前、コレがよく俺のだって判ったな。こんなん、どこにでもあるようなモンなのに」



それは・・・
それは、貴方の事が好きで、ずっと見つめ続けていたから。

だから、ごくごくありふれたその指輪も一目で貴方のだと判ったんです。



そんなの言えない。
一歩間違えればただのストーカーだ。


「いや・・・それはその・・・」

しどろもどろになったその時、すぐ近くで人の気配がした。

/ 238ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp