【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第5章 星空だけが、きっと知ってる
用を足し終わり、そのままテントへ帰るのも何だか味気ないので、
そっと遊歩道の方へ足を運ぶ。
虫の声と、遠くのテントから聞こえる囁き声。
去年、ここに越してくる前の事が自然と思い浮かぶ。
―都会に居た頃は、やっぱ楽しかったな―
街を歩けばいつも賑やかで、飽きる事なんて一つも無かった。
時間がいくらあっても足りないくらいで、毎日が楽しかった。
それに、ジュネスの店長の息子、という事で誰かから糾弾されることも、無かった。
―だけど―
見上げた空にはどこまでも星空が続いている。
住んでいた都会では絶対に見る事の出来ない景色だ。
思わぬ出会い。
踏み入れた事件。
そこで見つめた自分自身。
―ここも、悪くないかもしれないな―
少し進んだ所に、ほんの小さく崖になっている場所があり、そこに巨木が倒れている。
それをベンチにするかのように腰掛ける小さな後ろ姿を見つけた
・・・あれ・・・?睦月・・・?なんであんな所に?
崖から滑り落ち無いように迂回し、そのポニーテールに声を掛けた。