【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第5章 星空だけが、きっと知ってる
「はぁ・・・ダメだ。何か眠れねぇ」
里中と天城の作ったカレーを思い出し、記憶を封印しようと首を大きく降る。
カレーの筈なのに、じゃりじゃりした食感、柔らかい部分や妙に硬い部分。
本来あるまじき具材まで入っていたそれは強烈な悪臭を放っていた。
里中と天城の半ば脅迫の様な「召し上がれ」を受けて俺と鳴上はその言葉通り有り難く頂戴する以外の選択肢が無かった。
「・・・あれは強烈だったな・・・」
静かに返事をする鳴上はテントの中の小さな明かりで文庫本を読んでいる。
その表紙には「漢、それはエターナル」と堂々とした文字が印刷されている。
鳴上の顔色もまだ若干悪そうだ。
「何入れたらあんなんなるんだよ。つうか鳴上、お前も一緒に買い出ししてたんだろ?何で止めなかったんだよ?」
「・・・その勇気は無かった」
「・・・だよなぁ・・・」
同時にため息が出る。
「・・・つーか。完二。お前は何でここにいるんだよ」
ごく自然にテントに入り込んで来た完二に目を向ける。
完二は暗がりの中、持参してきた「おっとっと」の中にレアの潜水艦型がないか探している。
「だってよぉ、俺が居るとテントん中通夜みてぇにシーンとしちまうんっすよ。先輩方のテントの方が居心地が良いっつうか・・・」
「そりゃ、まぁ・・・仕方ねぇか」
「所で花村先輩。この間の電話のヤツ、結局どーなったんすか」
「完二のお陰でまぁ、いい物手に入れたよ」