【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第1章 4月に芽吹くヒーロー
年の二つ離れた幼馴染、小西早紀。
近所に住んでいたせいもあって、睦月と彼女とは小さい頃によく遊んでいた。
互いに「早紀ちゃん」「睦月ちゃん」そう呼び合い、何かと睦月の世話を焼いてくれた。
同い年の弟の尚紀もいた。女の子同士で遊んでいる所に介入してくることは殆どなかったが。
早紀が中学生に上がったあたりから、自然と疎遠にはなっていったが、それでも去年から時折彼女の働くジュネスへ顔を出す事があった。
働く早紀に軽く会釈をする程度のものであったが、早紀は睦月を見つけるといつも優しく手を振ってくれた。
勿論、ジュネスへ向かうにあたり、睦月は陽介の姿を探してはそっと視線を送っていた。
その際に、陽介から早紀へと注がれる好意の視線に気づかないはずが無かった。
そんな背景を知る睦月にとって、陽介と千枝の間柄の噂は何の意味も成さない物のはずではあるが、それでも楽しそうに小突き合いながら口喧嘩をする光景は睦月の心に少しの陰りを見せる要因の一つだった。