• テキストサイズ

【ペルソナ4】 Shining one Day by day

第1章 4月に芽吹くヒーロー


事の発端は、それからすぐに訪れた。

ホームルームが終わり、睦月が下校しようと玄関で靴を履き替えていた時だった。

校舎の二階から降りて来る声に心臓が高鳴る。

(花村先輩の声だ・・・)

思わず下駄箱の影に隠れ、そっと様子を伺う。

そこに居たのは、密かに想っている花村陽介の他に、男女が一名ずつ。

(あれ、あの人、この間の朝の・・・)

都会から彼が転校して来たその日から、様々な噂や黄色い声が睦月の学年にも届いていた。

無論、この学校に入って一番最初に彼と会話した睦月はクラスメイトから質問攻めに遭ったのは言うまでもない。
睦月自身は彼の名前すら知らないと言うのに。


そしてもう一人、その隣に立つショートボブの女生徒。

(・・・里中先輩、だ・・・)

里中千枝はいつ見かけても元気よく溌剌としていて、陰ながら恋心を抱く生徒も少なくない。

だが、校外でも彼女が陽介と行動を共にしている姿をよく見かける為に、二人は恋仲同士なのではないかと言う噂さえあった。

その噂が嘘なのは睦月はとうに知っている。


(だって花村先輩は、小西先輩の事・・・)
/ 238ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp