【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第3章 レンズの向こうのその背中
「おい、睦月!大丈夫か!」
事態が落ち着いた所で、ふと睦月の存在を思い出す。
あわてて俺が駆け寄ると、睦月は傍の壁にもたれて大きく息をしていた。
「花村先輩・・・。何とか大丈夫です」
「結局また睦月に守られちまったな。フツー、逆だろ?」
「私の持つ力がこうだから。・・・じゃ、ダメですか?皆の足、引っ張らなくて良かった・・・」
「それどころか、お前が居なかったら皆無事だったかわかんねぇよ。ありがとうな、睦月」
そういって小さな頭をワシワシ撫でる。
睦月の顔が赤く染まって見えるのは、単に赤が基調のこの場所の所為だろうか。
「そ、そうだ!それより先輩達は大丈夫ですか?」
「俺らの心配よりも、自分の事考えろよ。これでも俺ら、オトコノコですから」
「あたしは違うんですけど!」
間髪入れずに里中の蹴りが俺の背中を襲った。
「痛ぇ!おま、お前ちょっとは空気読まない!?」
「心配にかこつけて後輩に手ぇだそうとしないでよ!?」
「してねぇし!!」
「花村、里中、もう気は済んだか?天城も疲れてるみたいだし一旦ここを離れよう」
鳴上からの助け舟に有り難く乗り込み、クマを含めた全員が城を後にした。