【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第1章 4月に芽吹くヒーロー
颯爽と立ち去るその背中。
長身痩躯で、白にも銀にも見える不思議な髪の色。
何より、その前髪に隠れがちな瞳の力の強さ。
たった一つ年上だとは信じられない程落ち着いた雰囲気の持ち主だった。
しかし、上履きを入れて持ってきたと思われるビニール袋に目をやると、そこにはでかでかとメロンパンのイラストがプリントされている。
ジュネスの食品売り場に入っているパン屋のテナントの物だ。
その袋を恥ずかしげもなく堂々と手から下げて歩くギャップが睦月に強烈なインパクトを残した。
間もなくホームルームの開始を告げるチャイムが鳴り、睦月は慌てて一年三組の教室へと飛び込んでいった。