【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第3章 レンズの向こうのその背中
赤い羽根を持つ雪子のシャドウが大きく羽ばたくと、炎が舞立って悠たちに襲い掛かる。
一番雪子の近くに居た千枝は、その炎に身を包まれた。
「千枝先輩!!」
その後目に入るであろう光景の悲惨さに、睦月は咄嗟に目を瞑る。
が、千枝は咄嗟に自身のペルソナであるトモエを呼び出し、トモエの持つ氷の力でその炎をすんでの所で躱していた。
「雪子は、私が助ける・・・!」
頬に着いた煤にも気に掛けず、千枝は勇敢に雪子のシャドウへ立ち向かってゆく。
たとえ自分がどうなろうとも、大切な人を守りたい。
睦月は、千枝のその気持ちを痛い程理解していた。
私も、花村先輩の事を守りたい・・・!
だから、だから私は・・・!
今度はシャドウが嘴を大きく開けた。
その喉の奥が赤く光り、炎の塊を吐きだそうとしていた。
「お願い、シラヤマ!」
吐き出される炎が襲って来るより早く、睦月は自身のペルソナを呼び出した。
腕から伸びる赤い紐を前で蝶結びに垂らし、両の手を上に向けたシラヤマが現れる。
瞬間、その場の全員を見えない壁が包み、炎を四方に弾き返す。