【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第3章 レンズの向こうのその背中
翌日、悠に呼び出された睦月は待ち合わせ先のジュネスのフードコートの席に一人で座っていた。
雪子と睦月は接点が無かったが、校内で千枝と雪子が二人で歩いているのを入学以来何度も見かけているので睦月はうっすらとテレビに映るその人物が雪子ではないかと思ったが、それについて聞きに二年生の所まで行くには、少し勇気が必要だった。
その一方で、二年生三人組の方でも、テレビの中での出来事の後、悠、陽介、千枝はクラスが同じため、その出来事について度々話す事はあったが、一つ学年が下の睦月と顔を合わせる機会があまり無く、大した用もないのに呼びつけるのはどうかと思い、何か事態が変わるまでこのままで居ようと何となくそうした雰囲気で居た先、今度ははっきりとマヨナカテレビに雪子が映った。
そんな折、帰り際の廊下で悠から「話がある」と持ち掛けられた。
(ちょっと早く着すぎちゃったかな・・・)
鞄を隣の席に置き、腕時計を見る。
悠に指定されていた時間よりも、少し早めについてしまったようだ。
時間まで、少しジュネス内を見て回ろうかと思い立った瞬間、横から声が掛かった。
「あれ?やっぱ睦月じゃん。何してんの」
明るい色に染めた少し長めの髪、
トレードマークのヘッドフォン。
「は、花村先輩?」
思わず席を立ちあがる。
「ほれ、飲むか?」
陽介が持っていたジュースの缶を睦月に向けて軽く放る。
とっさに受け取り、陽介を見上げると、彼は太陽みたいな笑顔を浮かべる。
睦月の手の中のそれと同じ柄のジュースの缶が、彼の横に掲げられていた。