【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第2章 【短編】雨とそのシャツに包まれたら
「お邪魔します・・・」
「睦月、それ今日二回目」
鳴上先輩の部屋に案内された際に、思わずつぶやくと、静かな突っ込みが返って来た。
案外広い部屋の中に、ソファとテーブル。学習机と布団が配置されていた。
作りかけのプラモデルが飾ってあったりするが、先輩は綺麗好きなのか、随分とさっぱりしている。
「睦月、そこ座って」
促され、ソファに浅く腰掛ける。
「髪、まだ濡れてるだろ。これじゃあ身体が冷えてしまう」
いつの間にそこに挿したのか、コンセントからドライヤーが繋がっている。
「乾かしてあげるから、じっとして」
耳元でそう囁かれて思わず息をのむ。
やがてドライヤーの送風音が部屋の中をいっぱいにして行った。
先輩の細い指が、私の髪を梳きながら乾かして行く。
その大きい手に頭を包まれて、つい身を任せて瞳を閉じる。