• テキストサイズ

【ペルソナ4】 Shining one Day by day

第2章 【短編】雨とそのシャツに包まれたら


堂島家の玄関にて。



そっと靴を脱ぎ、身体に張り付いた水分を払おうとする。


「そこの奥、風呂場だからとりあえずそっちに居て。着替え、持ってくるからそこにあるタオルで身体を拭いてて」



鳴上先輩はそう言うが否や、二階の自室へと上がって行ってしまった。


雨で張り付いたセーラー服を恐る恐る脱ぎ、濡れた身体をタオルで拭く。


やがて洗面所のドアがノックされた後に、ドア越しに先輩の声が聞こえて来た。


「ここに着替え、置いておくから。俺ので良ければ、これ着て」


そっとドアを開け、そこに置かれているTシャツに袖を通す。

長身の先輩の私服は私の身体をすっぽりと包み、まるで少し短めのワンピースの様だ。


これならずぶ濡れのスカートを履かなくても、大丈夫みたい。


髪の先からしたたる滴を肩にかけたタオルで受け止め、簡単に頭を拭く。


脱衣所の傍らのハンガーラックに軽く絞った制服や靴下をかけ、私はそっと脱衣所を後にした。


廊下に出ると、先輩が二階を指さし、こっちへ来るよう促したのでその後を着いてゆく。


「あれ、そう言えば菜々子ちゃんは?」


「菜々子は今、友達の家に遊びに行ってる。雨が止むまで、迎えに行けそうにないな」



思いがけずに先輩の家に二人きり。


階段がきしむ音が、やけにはっきり聞こえる。
/ 238ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp