【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第1章 4月に芽吹くヒーロー
「俺はどーでもいいのかよっ!それに、こんな危ない所に連れて来られる訳ないだろーが!」
「ヨースケは本当に分かってないクマね。ムッチャンがペルソナに覚醒できたって事は、ここのシャドウに立ち向かう力を持ってるって事クマよ?それにクマ、こんな可愛いコならいつでも大歓迎クマ」
「はいはい。じゃあ今度こそ一旦保留。鳴上、それと睦月、元の世界に戻るぞ」
陽介がクマに向かって頷くと、その合図に了承したクマは大仰に広場の真ん中に立ち、その小さな踵を二度ほど床へ打ち鳴らした。
途端に現れる、三台ほど重なった古めかしいタイプのテレビ。
「それじゃあクマ、またそのうちに」
「センセイ、バイバイー」
いうが否や、悠がそのテレビに身を屈めて入り込む。
ジュネスの大型テレビと同じく、画面に波紋を広げ、やがて悠の姿は見えなくなった。
「ほら、俺達も行こうぜ」
「は・・・はい・・・」
本当に元の世界に戻れるのか不安になり、睦月はたじろいだ。
「心配すんなよ。大丈夫だって。ほら、これなら、恐く無いだろ?」
陽介は睦月の手を握り、悠に続きテレビの中へ半身を滑り込ませる。
それに続いて睦月の身体がテレビに入りきる瞬間、見送るクマに睦月は手を振った。
帰りのテレビの中でも、慣れない浮遊感の中、陽介はしっかりと手を握っていてくれる。
やっぱり、貴方は私のヒーロー、です。