【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第14章 【短編】Trip To Time
「っと、いけね。俺も汗かいてるからちょっとシャワー浴びて来るわ」
「わかりました」
「・・・覗くなよ?」
「覗きませんてば!」
バスルームへ向かいながら俺は少しだけ後悔した。
先にシャワーを浴びてから睦月を起こせばあのままなだれ込む事が出来たのでは、と。
ともかく、汗で汚れた身体を洗うために、熱めのシャワーで気合を入れなおす事にした。
バスタオルでしっかり体を拭き、部屋着用に持参してきたVネックのシャツを着る。
俺の事を睦月は・・・受け入れてくれるだろうか。
そんな不安が頭をもたげて襲い掛かってくる前に、俺は頭を振り、髪に残っている水分と共に弱気を振り払った。
バスルームから出た時、睦月は自分の荷物の整理をしていた。
ふと俺が陣取っていたソファに目をやると、何故か毛布が用意されている。
「睦月、これ何だ?」
「花村先輩がシャワー浴びてるうちに、フロントに連絡して持ってきてもらったんです」
(あー・・・やっぱこっちですよね、俺)
心の声を押し殺し、
「そっか、悪ぃな」
と睦月に笑いかけると、睦月は怪訝そうな顔をした。
「え?それ私のですよ?」
「んじゃなんでこんな所に?」
「いや、だから、そこ、私の寝場所」
急にカタコトになる睦月に笑いつつも俺は理解した。
「いや、折角大きいベッドあんだから、睦月そっちにしろよ」
「だって誘ってくれたのは花村先輩でしょう。先輩が一番良い所で寝るのは当たり前です!」