【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第14章 【短編】Trip To Time
少し離れた所に見つけ、中へ入るとガンガンに聞いた冷房が俺の身体から熱を奪って行く。
この空気感がひどく懐かしい。
感傷に浸るのもそこそこに、カゴの中に飲み物とスナック類を放り込んで行く。
そして最後に、敢えて避けていた医薬品、衛生用品のコーナーへ。
「・・・っ!」
吟味をしてしまうと、却って怪しまれる。
冷静に考えてみれば、この時間にこの類の買い物をする男性客は他にもいるだろう。
それに、俺は私服だった。
けど俺はそんな思考はどこかに落としてきてしまったみたいで。
適当な小箱を一つ掴んでカゴの中に入れる。
そのまま早歩きでレジへ向かい、平静を装った。
「お次のお客さん、こちらへドーゾ!」
妙に明るい口調の男性店員に隣のレジを促されて、案内されたカウンターに買い物カゴを乗せる。
丁度二十歳くらい・・・だろうか。レジの男はリズムよく商品をスキャンして行く。
時折聞こえるのは、品物の金額ではなく、軽い鼻歌。
ふと、その店員の手が少し止まった。理由は明らかだ。
(高校生だとバレてないよな・・・つか高校生が買っちゃ行けないとかそんな筈ねぇし)
ピッと読み取りの電子音の後、店員が俺を見てにやりと笑う。
提示された金額を確認し、サイフから札を取り出すと、それを受け取りレジから釣銭を出し始めた。