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【ペルソナ4】 Shining one Day by day

第14章 【短編】Trip To Time



その後、電車を何度か乗り継ぎ、目的地に辿り着いた頃には既に開園時間を少し過ぎていた。

園内近くのホテルにチェックインした後に、荷物を預けて遊びに繰り出す事にした。

部屋に入った際にダブルベッドだったのが、妙に心をそわそわさせる。


(いやいや、フツーに考えたら俺、ソファだろ。いや、でももしかしたら・・・)


「先輩?どうしたんですか?」


「えっ、あ、ゴメン。何でもねぇ。さ、遊び倒すぞ!」


「おー!」


自然と手を繋ぎ、ファンタジーに彩られたゲートをくぐる。

誰かに偶然出会う確率なんてゼロに等しい。

誰にとがめられる訳ではないけれど、八十稲羽で二人きりで会う時よりも解放感があった。


「そうだ、写真。折角だから入り口で撮りません?」


睦月の提案に乗り、インカメラにしたスマホを掲げる。

自然と寄り添う頬に笑みが浮かぶ。

シャッター音の後、保存された画面を見る。

二人の背景は微かにレンガで造られた路と花壇、他の来園客が通り過ぎる様が映っている。


「ははっ、これじゃ何処で撮ったのか全然わかんねー」


ひとしきり二人で笑い合う。


「んじゃ、とりあえず行きますか。迷子になんなよ?」


茶化して言ったつもりが、意外にも睦月が積極的に俺の手を握った。

(アレ・・・?これって・・・やっぱチャンス到来?)

俺の微かな下心を知らずに俺の手を引き先へと歩き出す睦月。


スマホと一緒に下心をポケットにしまい込み、その歩に合わせて俺も歩き出した。


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