【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第1章 4月に芽吹くヒーロー
「お前は平気なの?」
「少なくとも花村よりはな」
霧に囲まれた商店街の緩やかな坂道を歩く。
二人の歩く速度に追いつかないクマが、置いて行かれないように小走りで付いて来る。
「ねぇねぇセンセイ、このコ、なんていう名前クマ?」
「さぁ・・・花村は知ってる?」
「いや、一応ちょっとした知り合いだけど、名前、知らねぇんだ」
あんなに必死に陽介を守ろうとした、背中の小さなMVP。
あの時の彼女の様子から、おそらく陽介が知らないだけで、彼女なりに陽介に対して何らかの感情を抱いているに違いない。
「・・・俺、さっきこの子にメロンパン先輩って呼ばれた・・・」
「何でだよ!?」
「身に覚えは・・・多少ある」
「あんのかよ!」