【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第13章 The Orange days
数日後の夏祭りの夜。
雪子の提案で一同浴衣に着替えるべく、菜々子を含めた女性陣が天城屋旅館へと集まる。
天城屋旅館の女性従業員及び雪子がそれぞれの着付けを手早くこなして行く。
着付けを手伝ってくれた女性従業員が去った所で仕上がりが自分の姿を鏡に映しながらりせが睦月に声を掛けた。
「ねぇ、結局それってオッケーだったって事?」
めでたく想いを成就した睦月は、あの日夕が落ちきるまで陽介と高台に立ち続けた。
その後、自宅に帰った睦月は前日からの睡眠不足と、達成感や心労で泥の様に眠り、結局後押ししてくれたりせ達には結果を未だ伝えられないまま、夏祭りがやって来た。
りせと同じく仕上がった浴衣姿をチェックしながら、陽介がこの姿を見たらどう思うだろうと思案し、睦月の頬は緩んでいた。
その緩み切った笑顔を訝しげに眺めながら問うてくるりせ。
「その顔だと成功したみたいだね」
言いながら自分で着付けの出来る雪子は手慣れた様子でおはしょりを直す。
「うん・・・うまく、行きました・・・!」
嬉しさを隠せない表情の睦月。
「それじゃめでたくカップル成立かぁー。花村の春はようやく訪れたか・・・」
感慨深げに腕を組んだ千枝が頷く。
「え、睦月ちゃん、陽介お兄ちゃんとカップルなの?」
傍に居た菜々子が首を傾げている。
「へへへ・・・だけど、ここにいない皆には内緒!」
「お兄ちゃんにも?」
「うん、鳴上先輩にもまだ秘密!」
「菜々子ちゃん、恋の秘密は女の子だけの内緒のお話なんだよ」
茶目っ気たっぷりにりせが菜々子にそう言うと、りせの大ファンの菜々子が嬉しそうに頷く。
「さぁ、着付け終わったね、約束の時間過ぎちゃうし、神社に行こう?」
雪子の一言で菜々子を含める女子五人組が待ち合わせ場所へと急ぐ。