【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第13章 The Orange days
硬直する睦月。
再びしばらくの沈黙。
その沈黙に耐えかねた陽介がそっと頭だけを上げ、上目遣いで睦月を見る。
「・・・もしかして、お付き合いは駄目、だったりする・・・?」
その仕草に弾かれたように、くしゃっと顔を顰める睦月。
次の瞬間から彼女の瞳からは涙が溢れていた。
「え、ちょ、泣くなよ・・・」
肯定の涙とも否定の涙とも判断付かない陽介は狼狽えるしかなかった。
涙でぐしゃぐしゃになりながら、睦月はようやく口を開いた。
「先輩・・・それ、私が言おうと思ってたのに・・・!」
思いもよらない睦月の言葉に陽介は驚きを隠せない。
「はァ!?いやいや、ここは俺だろうが!そもそも女の子に告白させるとかさ、男としてナシだろ!」
何か言い返そうとする睦月。だけど、昂った感情の所為で涙が止まらない。
「ともかく、涙ふけよ。・・・っと、悪ぃ。拭けるもん持ってねーや」
言いながら陽介はそっと指を差し出し睦月の目の下に当て、涙を拭う。
陽介の指先が睦月に触れ、僅かに互いの体温を感じる。
「ごめんな、初っ端から泣かしちまって。だけど、これから先睦月の事、泣かせたりしねーから」
垂れ目がちな陽介の瞳がいつもより潤んでいる。
夕日を反射し、まるで輝いているようにも見える。