【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第13章 The Orange days
「先輩・・・」
何か言う前に既に睦月は涙声になっていた。
「ちゃんと、ちゃんと言わなきゃ・・・」
「どした?」
心配そうに小首をかしげる陽介。次の言葉を待ってくれている様だ。
ついに勇気を振り絞った睦月は顔を上げ、陽介を見つめ言葉を発する。
「先輩。来てくれてありがとうございます。私、先輩に言わなきゃいけない事があるんです」
「睦月・・・?」
「花村先輩!私・・・私、去年先輩に助けて貰ってからずっと、先輩の事が好きです・・・!」
永遠に続くような一瞬の沈黙。
遠くで虫や烏の無く声がする。
陽介がびっくりした顔で睦月を見つめている。
「だから、だから先輩・・・私と・・・」
拳を握りしめ、次の一言を発しようとする睦月を、陽介が遮った。
「ちょっと待てよ」
改めて陽介を見ると、困ったような表情で眉を下げている。
「あのさ、睦月。その前に俺からも言わなきゃならねー事、あるんだわ」
「え・・・」
片手で軽く頭を掻き、視線を逸らす陽介。
「あのさ、俺・・・俺もさ、睦月の事、好きだ。だからその先は俺に言わせてくれねーかな・・・」
「先輩・・・?」
急に睦月の両手を掴んだと思ったら、陽介が直角に頭を下げる。
「雪芝睦月さん、好きです!俺と付き合ってください!」