【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第13章 The Orange days
翌日。
その日は朝から睦月は落ち着きが無かった。
何度も鏡の前に立っては姿を写し、変な所がないか入念にチェックをする。
結局、メールの送信から一睡も出来ずに遂に時計は約束の時刻近くまで進んでしまった。
「大丈夫。大丈夫」
何度も自分に言い聞かせるが、身体はそれを聞き入れてくれずに鼓動は高まったまま。
「シラヤマ、私、ちゃんと告白するからね・・・。もし駄目だったとしても後悔しないように頑張るから」
今もきっと心の中に居るもう一人の自分に語り掛ける。
あの時助けてくれたシラヤマは、未だに私に認められずに不安定なまま。
私の為にも、シラヤマの為にも。向き合わなきゃ。
トレードマークのポニーテールをぎゅっと結びなおし、睦月は約束の場所へ向かう事にした。
約束した時間よりも少し早くについた睦月。
誰も居ない高台から少しずつ暮れて行く八十稲羽を見下ろす。
大きな土地を占めるジュネス。と、その屋上。
それから、と睦月は視線をずらして陽介の自宅を探す。
特徴的な屋根の家なのですぐに見つけることが出来た。
続いて学校、商店街。そこから目についた鮫川の先を目で追う。
その時、睦月の後ろで声がした。
「よぉ、睦月。お待たせ」
ふり返ると、走って来たのかうっすらと汗をかいた陽介がそこに立っていた。