【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第13章 The Orange days
後押しの決定打になったメールの着信。
そのメールの送信者には久慈川りせの名前が表示されていた。
本文を開く。
『睦月、頑張るんだよ!ついでに私も悠先輩に告白してみよっかな』
「りせちゃん・・・すごいタイミング・・・!」
可愛らしい流行の顔文字満載と共に送られたその文字を見て、一気に拍子抜けして、携帯電話を握ったままベッドに倒れ込む。
「先輩・・・」
心に浮かぶのは、去年のあの日からの陽介の姿。
奇しくも事件のお陰で繋がる事の出来た不思議な縁。
これまでの事を色々と思い返しているうちに、手の中の携帯電話が再び震え出した。
恐る恐る携帯電話を覗き込むと、画面にはたった今まで想いを馳せていた相手、花村陽介の四文字。
『どした?明日、夕方四時までシフト入ってるけどその後ならいいぜー』
少し悩んだ結果、あまり待たせるのも悪いと思い、返信ボタンを押す。
『それじゃあ明日の夕方、高台で待ってます!』
それだけ打つと、読み返してしまわないようにすぐに送信ボタンを押す。
読み返したら、きっとまた勇気が逃げてしまう気がして。
再びベッドに横になるが、心臓の高鳴りが終わらない。
たまらず睦月は起き上がり、窓の外の夜空を眺める。
林間学校の時を思い出し、その時からの宝物、陽介から貰った指輪を握りしめた。