【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第1章 4月に芽吹くヒーロー
「う・・・ん・・・」
微かな呻き声と共に睦月がうっすらと意識を取り戻した。
「良かった・・・」
安堵した陽介は泣きそうになるのを堪え、鳴上と共に胸をなでおろす。
「う・・・あ、あれ・・・?」
意識を取り戻した睦月はうっすら目を開け、目に飛び込んできた光景に驚きを禁じ得ないでいた。
自分の身体が八十神高校注目度一位の先輩に抱きかかえられている。
おまけに、想い人の陽介が安堵の表情で睦月の顔を間近で眺めている。
先輩を助けに入った所までは覚えているが、その後の事をすぐに思い出せない。
異常な事態に興奮していたのと、自分が置かれているシチュエーションが、取り戻したばかりの意識には少々刺激的だったからだ。
「えぇ!?あ、あああ」
しどろもどろになりながら、上体を起こそうとすると陽介に止められた。
「おい、大丈夫か?どっか痛い所、無いか?」
「ははははい、だだ、大丈夫、です」
「花村、まだちょっと混乱しているみたいだ」
「だな」
睦月の慌てぶりを絶妙に勘違いする先輩二人。