【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第12章 【短編】猫の嫉妬と番犬のしっぽ
「で、俺が猫っぽいって、どういう所?」
「んー・・・そうだなぁ、やる時はやるけど、先輩ってたまにいきなりびっくりするような事しちゃったりするから」
睦月は悠についての気まぐれとも取れない不可解な行動を思い返す。
どしゃぶりの雨の中、昼夜問わずに鮫川で釣りに没頭している所や、片や日曜の晴れた日にはその河川敷で喪服のおばあさんと座って親密そうに話していたり。
テレビの中では誰に話しかけるでもなく何も無い空間に向かって何十分もぶつぶつと独り言のような事を呟いていたかと思うと、強力なペルソナを使えるようになっていたり、等。
これらは単なる奇行なのか、何か意味があるのか、睦月には見当もつかない。
だが、それらを誰にどう言われても止めないのは、頑固なのか純粋に楽しんでいるのか・・・
「うーん、ミステリアスな感じ、とか?あと先輩の場合、顔が猫っぽいのもあるんじゃないかな」
「ふぅん・・・じゃあ睦月はどっちの顔、してるかな?」
急に悠の顔が近づいたと思った時には、悠の両手は睦月の顔を包んでいた。
「え、ちょっと、先輩、皆見てるよ・・・!」
「だからどうした?」
そんな事を気にする方が変だと言う風に言ってのける悠。
その大胆さに睦月の心臓がドキリと一つ大きく脈打つ。
「・・・睦月は顔立ちは猫だけど、性格は犬っぽいね」
悪戯そうな笑みを浮かべ、さらに悠の顔が近づいて来る。
「俺が飼うとすれば、ちゃんと言う事聞いてくれるかな・・・?」