【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第12章 【短編】猫の嫉妬と番犬のしっぽ
「んー・・・鳴上先輩はどっちかって言うと猫、ですよね」
特捜隊のお馴染みジュネスのフードコート。
この日は特に探索の予定は無かったが、休日の昼下がりに偶然顔を会わせたのもあり、睦月と悠は何とは無しにジュネスへ足を運ぶ。
各自飲み物を購入し、いつも使っている大人数用のベンチでは無く、二人掛けの小さな丸テーブルに腰を下ろす。
この日のフードコートはそれなりに賑わってはいたが、生憎の曇天模様なのと、特にセールの無い今日は少々客足が少なく、いつもより静かだった。
バイトが入っていた陽介は少し離れた屋台カウンターの内側で少々暇そうに雑多とした備品の整理をしている。
悠と睦月は他愛の無い話をしているうちに、「誰が犬っぽいか猫っぽいか」という話題になり、他のメンバーの顔を思い出しては犬っぽいか猫っぽいかの判断をして行く。
「陽介は・・・犬、だな」
「あぁ、わかります。すっごく」
「俺の事、何か言ってるー?」
自分の名前に過敏に反応し、声を投げて来る陽介だが、悠は敢えて何の話題なのかを彼に説明しなかった。
その代わりに悠は、訝しがる陽介に意味ありげな視線を送る事にした。