【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第11章 その柵は自分次第
雪子の予想通り、睦月が作り出した壁はブロックの結合を阻み、次々とそれを弾き返して行く。
しかし弾き返された、意志を持たないブロックは何度も結合を続行しようと降り注ぐ。
ブロックに壁を破られないように睦月はその場に踏ん張り、力を放ち続けた。
他のメンバーはそれに気づいたりせの指示に従い、少しでも睦月の負担を減らすべく再びブロックを壊し続ける。
一方、悠の救出に向かった陽介。
悠の意識はあるものの、その目は暗く鈍く、虚空を見つめ続けている。
「おい、鳴上!」
身を乗り出して名を叫んでも、何の反応も無い。
「鳴上、早く!手ぇ伸ばせよ!!」
一層大きく叫ぶと、ゆっくりと悠が陽介を見つめた。
「俺は・・・俺は空っぽ・・・」
「何言ってんだよリーダー!皆待ってんだよ!早く来いよ!」
「皆・・・?俺は・・・リーダーなんか・・・」
「馬鹿言ってねぇで早く手を取れ!俺の相棒だろうがよ!」
「花・・・村・・・」
悠が陽介に手を伸ばす。微かに生気が戻って来た瞳をしている。
「花村先輩、聞こえる?早く!もう睦月が限界だよ!急いで!」
りせの声が響く。もう少しで悠の手を取れそうだ。
「くそっ、こんな所でくたばってられねぇんだよ・・・!」
強引に身を乗り出し、悠の手首を掴む。
その瞬間、悠は正気を取り戻し、瞳を見開いた。
「花村・・・!?」
「へへ、お帰り相棒。後で説明すっから早くここから出るぞ」