【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第11章 その柵は自分次第
久保のシャドウ目がけて広間を走り抜ける陽介。
その後ろには陽介のペルソナが臨戦態勢を見せている。
「行けぇ!ジライヤ!」
陽介の掛け声に呼応したペルソナ、ジライヤが大きな竜巻を起こし、最後のブロックを吹き飛ばした。
すかさず陽介はブロックを駆けのぼり、穴をあけた部分を上から覗き込む。
ブロックの中には、久保のシャドウ本体と、すぐ傍でうなだれる悠の姿があった。
「睦月!今だ!」
陽介が声を張り上げ、睦月に合図をする。
「はい!」
精神を集中させていた睦月が目を見開く。
「シラヤマ!お願い・・・!」
顕現したシラヤマは不安定の為か所々ノイズが混じって消えかかっている。
睦月は自分自身の心の底に語り掛ける。
「シラヤマ・・・ううん、もう一人の私。あのね、私、決めたから。もう逃げない。結果がどうなっても・・・後悔しないよ。不器用かもしれないけど、間違いもあるかもしれないけど、私は私なりに素直になるって決めた。だからもう少しだけ、力を貸して・・・」
一瞬、はっきりと姿を現したシラヤマが両の手を掲げる。
次の瞬間には、頭部の取れた久保のシャドウ全体を光が覆った。