【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第11章 その柵は自分次第
やがて先を進んでいた悠と陽介、完二の三人が戻って来る。
その姿が視界に入った瞬間、りせが睦月の腕を小さく叩き、振り返り様に呟いた。
「睦月の為にも、私達、頑張って戦っちゃうからね!」
そのままりせは悠の方へ駆け寄り、その隣をキープしていた。
「はは・・・りせちゃん、逞しいなー」
その様子を苦笑いで見送る千枝。
「先輩!どうだった?」
「あぁ、先に進めそうな通路は見つけた。完二のお陰でな」
「いや、照れるっス。でもまぁ、よく見りゃ単純な事だったんスね」
「何かあったの?完二」
なるべく陽介を視界に入れないように睦月が完二に訊き返す。
「ほら、扉んトコに模様ついてるだろ?盾の。あれが剣の模様の扉があったんだよ。開けたら階段だった」
そう言われて手近な扉を見上げると、確かに扉の上に盾を模したマークが描かれている。
「完二の奴がご丁寧にこれを全部メモに書き込んでたんだよ。こいつが居なかったら俺達帰り道すらわかんなくなってたかもしんねー」
ヘッドフォンのコードを指先で弄りながら陽介がため息を吐く。
その陽介から完二が書いた地図を奪いながら千枝が目を見開いた。
「うわ、すごっ・・・。これ完二君が書いたの?」
そこには、最初こそ大まかに描かれてはいるが、途中で完二の凝り性が我慢ならなかったのだろう。アイテムが入っていた箱の場所と中身、シャドウが居た地点、さらには通路の端の僅かな段差まで細密に書き込まれていた。