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【ペルソナ4】 Shining one Day by day

第11章 その柵は自分次第


紙とペンと携えた完二が少し先で分かれ道を見つけ、紙に書きこんでいる。

RPGゲームに興じる少年が通る路だ、と最初は特に気に留めていなかった悠と陽介だったが、奥に進む毎に複雑になって行くダンジョンに「メンバーに小まめな奴が居て良かった」そう密かに胸をなでおろしていた。

「花村、さっきは助かった。あのままだったら皆の気持ちがバラバラになる所だった。ありがとう」

「いいって。そういうのはジュネスのバイトで似たようなのよく経験してるし」


「花村がリーダーの方が良かったんじゃないのか・・・」

思いもがけない悠の言葉に陽介は狼狽した。


「は?何言ってるんだよ。俺じゃ無理無理。そりゃ、ちょっと鳴上が羨ましいけどさ、俺がリーダーだったとして、里中や完二が従ってくれるとは思えない」

「花村先輩、呼びましたー?」

数メートル先の暗い通路から自分の名前に反応した完二の声が飛んでくる。

「いや、なんでもねー!マッピング、マジで頼りにしてっからその調子で頼む!」

「了解っス!」

「・・・要するに鳴上、リーダーはやっぱお前じゃなきゃ駄目なんだよ。俺はそーゆーガラじゃねぇっつうかさ。ま、頼りにしてるぜ、相棒」



陽介が軽く悠の背中を叩くと、悠は誰にも見えない角度でどこか安心した表情を浮かべ頷いていた。


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