【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第11章 その柵は自分次第
これ以上無意味な話し合いを続け、険悪になる前にと陽介は悠に助け舟を出した。
「な、なぁちょっと待てよ二人とも。それじゃこういうのはどうだ?体力のある俺と悠、完二はもう少し先を探索して来る。クマはここで女子と待機」
「えぇ?ヨースケ、クマも行きたいクマよ」
納得いかないクマが陽介と悠に抗議するが、陽介の目配せで察した悠がクマに耳打ちする。
そのタイミングを見計らって、陽介は千枝に何やら小声で囁いている。
「センセイ、判ったクマ。クマがベイビーちゃん達を守って見せるクマ!」
「オッケー、花村。クマ君の体力温存だね。こっちは任せて」
それぞれの耳打ちに納得したクマと千枝が同時に囁き返す。
「よし、作戦会議は終わりだ。完二行くぞ」
「よっしゃあ!」
「そんじゃ、そっちは頼んだからな!」
既に疲労で座り込む女性陣とクマをその場に残し、悠と陽介、完二は暗いダンジョンの中を進み始めた。
ひと昔前に流行したゲームを思わせる荒いドットの様な物で出来たこのダンジョンは、時折どこからか久保美津雄の挑発するかのような声がぼそぼそと聞こえて来る。
尤も、それが久保本体の心の声なのか、シャドウの物なのかは区別の仕様が無かったが。